正しく適切に

「何分くらい歯を磨けばいいのか?」

シンプルな質問ですが、よくある質問です。

私の回答としては

歯、一本をほっぺた側、べろ側、咬む溝のところを

まんべんなく10回ほど擦り10秒ほど磨いて、

成人でしたら28本(親知らず含めず)ですから

280秒、つまり4分半くらい、およそ5分くらいとなります。

糸ようじや、歯間ブラシを使うとなるともう少しかかりますね。

ただ、ここで重要なのは正しく磨けているかどうかです。

正しく適切に磨けていれば1分でも2分でもいいと思うのですが、

正しく適切に磨くとそれなりに時間がかかるものです。

正しく適切に出来ていないのであれば、5分磨いても

10分磨いても効果を期待できません。

時間より、正しく適切に磨くことが重要です。

達成できなくても

80歳で20本以上の歯の保有率は60パーセントを超えてきておりますが

もし、80歳で20本を達成できなかったとしても

義歯(入れ歯)を使うことに慣れ、

食べるという機能を維持することが大切です。

義歯を使うべき段階で作らずにそのままにしておくと

年齢を重ね、いざ「義歯を作りたい」「義歯を使いたい」となった時に

義歯を使うことに適応できなくなってしまいます。

義歯を使用し、よく噛むことで脳が活性化され、

認知症のリスクが軽減するという調査結果もあります。

仮に歯を失っても、適切に治療を受け、口の中の健康維持に努めましょう。

インフルエンザの流行

インフルエンザが流行している・・・という声を

ちらほら耳にするようになってきました。

インフルエンザ予防というと予防接種が思い浮かぶと思いますが

実は毎日の歯磨きもインフルエンザ予防に役立ちます。

簡単に言うと、

お口の中がきれいで良好な状態のほうがインフルエンザにかかりにくいのです。

ただ、お口の中をきれいで良好な状態にしようと思っても

急に良好にはなりませんから、毎日の積み重ねが大切です。

「うがい・手洗い」は基本ですが、「歯磨き」も基本なのです。  

正しく適切に歯磨きし続けることが大切です。 

  

しみる

しみる原因として考えられるのは

・歯ぐきが下がっている  ・歯ぎしり・くいしばり

・咬む力により歯に亀裂が入っている

・飲食物によるもの  ・不適切な歯磨き  ・むし歯

といったところですが、

歯が「しみる」からといっても

必ず歯を削る治療が必要になるとは限りません。

原因によっては歯磨きの方法、食生活を見直すと改善することもあります。

また歯は正常な反応として冷たい水などで「しみる」こともあるからです。

歯周病も

歯周病も厄介なところは

今、口腔内の衛生状態が不良であっても、

すぐに症状があらわれるわけではなく、

「今」の衛生不良状態が日々積み重なって

個体差はありますが、数年単位で時間を経て歯周組織に影響していくという点。

不定期に増悪を繰り返しながら進行し、重度歯周炎となると

元に戻すのは極めて困難となります。

ですので、まずは日々の正しく適切な歯磨きが重要なのです。

厄介

むし歯の厄介なところは

今、口腔内の衛生状態が不良であっても、

すぐに症状があらわれるわけではなく、

「今」の衛生不良状態が日々積み重なって

個体差はありますが、数か月~数年という時間を経て歯に穴があいていくという点。

歯の表面のエナメル質やその下の層の象牙質、歯髄に及んでいくと

元には戻らず、歯科材料で埋めたり、かぶせたり、歯髄除去が必要になります。

ですので、日々の正しく適切な歯磨きが重要なのです。

女性とタバコ

喫煙は歯周病を増悪させる危険因子です。

また、女性とくに妊婦さんにとって喫煙は

おなかの赤ちゃんの発育、成長にも大きな影響があります。

女性の生涯における健康のためにもタバコは吸わないほうがよいでしょう。

見えないところが重要

「奥歯は見えないから、とりあえず前歯を先に進めてほしい」

そんな風に言われることがありますが、

実は奥歯があるからこそ、前歯が守られているという側面があります。

奥歯多数失っていて、本来先に奥歯の治療する必要があるのに前歯の治療を先に行い

さらに奥歯の治療をせずにそのまま来院が途絶えると

前歯の詰め物が頻繁に取れたり、かぶせ物が取れたり、

それらを繰り返すとやがて前歯が折れたりすることにつながります。

優先すべきは前歯ではなく奥歯。

見えないと思っている奥歯の存在が重要なのです。

歯ごたえ

食事でおいしく感じるには「歯ごたえ」も重要な要素で

この「歯ごたえ」は食材の味や香りと同様に

食事を「美味しい」と感じる上で、とても大切なのです。

歯ごたえ、噛み応えのある食事の方が“満足感”につながるのです。

さて「歯ごたえ」はどこで感じ取るのか?

それは歯と骨をつなぐ境目にある「歯根膜」で感じ取るのです。

食事が美味しいのは

クッションやセンサーの役割をしている「歯根膜」があるからなのです。

注意が必要

咀嚼回数を増やすため

「よく噛んだほうがいい」

「硬いものを噛むといい」

とは言いますが、これは注意が必要な場合もあります。

もともと噛む力が強い傾向にある方や、

神経をとった歯がある方歯が割れるリスクがあるからです。

やたらと硬いものを噛めばいいってわけではありません。

ご自身のお口の中の状態を把握しておきましょう。