むし歯や歯周病は複数の要因が複雑に重なり起きています。
むし歯があるから、歯周炎があるからと、そこだけ叩いても
短期的にはよくても、長期的に維持が難しく、良い経過をたどることが難しいです。
もっと全体を見る必要があるのですが
多くの方はどうしても「歯」にだけ注目しがちです。
むし歯や歯周病は複数の要因が複雑に重なり起きています。
むし歯があるから、歯周炎があるからと、そこだけ叩いても
短期的にはよくても、長期的に維持が難しく、良い経過をたどることが難しいです。
もっと全体を見る必要があるのですが
多くの方はどうしても「歯」にだけ注目しがちです。
糖尿病が基礎疾患にあり、高血糖状態だと、
免疫力が下がり口腔内の細菌が増えるため
歯周疾患を抱えていることがよくあります。
歯周疾患は糖尿病の合併症の一つと言えるでしょう。
ですが多くはその認識は少ないようです。
また日々の診療で、ご自身が糖尿病の既往がないという方に
糖尿病予備軍、もしくは糖尿病なのかもしれない。
そう思える口腔内の状態をよく見ます。
糖尿病は自覚症状に乏しく
いつの間にか進行している状態になっていることがあるようです。
口腔内にもその症状は現れているのですが、
口腔内疾患もまた同様で、自覚症状に乏しく、
気になりだして受診したときには進行していることがあり、
治療により症状も一時消失するものの
治療に回数や時間がかかるため、中断につながりやすく、
中断を繰り返しているうちに徐々に、時には急速に悪化していく傾向にあり、
現状の維持さえ困難になることもあります。
早めに口腔内の違和感に気がつき、行動を起こすことが大切。
口腔内健康の維持が、全身の健康の維持に繫がっているということです。
口腔内を見直すことは全身を見直すことに繫がっています。
乳歯の方が永久歯に比べて耐酸性が劣るという面があるので
同じ環境であれば、
乳歯の方がむし歯になりやすいです。
小学生の頃むし歯が多かったけど、中学生以降はそうでもないなぁ・・・
というのは、永久歯になったから。
ただし、口腔内の清掃状態が良くないために、乳歯がむし歯になっていたわけで
口腔内の清掃状態が良くなければ、
永久歯であっても徐々に、時には急速にむし歯が進行します。
ですので、中高生の頃はむし歯はほとんどなかった(ように思っていた)のに
成人して以降30代、40代と徐々に増えてくるなぁ・・・
というのは、口腔内清掃状態が良くない上に、個々の生活習慣に原因があり
かつ、口腔機能が徐々に低下していくためです。
そこには骨格や咬み合わせの影響もあります。
子供の頃にむし歯が多かった方は要注意ですし、
少なかったように思える方も気に留めておいたほうがよいと思います。
⇒超長期的
口の中を拡大鏡やマイクロスコープでみてみると
一見、むし歯がないように見える方でも、
ごくごく小さなむし歯があります。
もちろん裸眼では確認出来ません。
歯垢もないように見えていても、
歯の付け根や、歯と歯の間、歯の溝、
歯の平らなところにさえ拡大すると確認できます。
歯石も歯肉溝に確認できます。
だからといって、裸眼では捉えにくいようなむし歯を
徹底的に削る必要があるかといえば違いますし、
徹底的に歯石を除去すればいいというわけでもありません。
口腔機能のバランスがとれていれば、
裸眼では捉えられないような非常に小さなむし歯は長くそのまま維持され
歯石があっても歯肉が著しく腫れるということも少ないようです。
そのバランスをどう獲得するのか・・・難しいのです。
未だよくわからないことも多い新型コロナウイルス。
いろいろなシーンが感染経路につながる可能性があると思います。
会食の場が感染経路の一つなのでは?とされていますが
もし、そうなのならば、食事をしながら会話するからであり、口をよく開け、
無防備になる機会が多いから。
そうでなくても、子供の頃、食事中に口に食べ物を入れたまま大きな声でしゃべるな
と言われたのを思い出すのは私だけでしょうか。
食事は黙って食べる。会話は後で。
ただし、黙って食べていても、口唇の閉鎖が弱く、
無意識下で口唇を閉じれていない方もおられます。
口唇を閉じて食べる。リップシールというんでしたっけ。
そういった口の周囲の筋肉の働きが重要なのと同時に
閉じているためには鼻呼吸の獲得が必要。ということだと思います。
口からの酸素摂取が必要になるような激しい運動では鼻呼吸は難しくなりますね。
だから現状で考えられる対策として、
マスクを着用、換気と距離、が大切になる。
「うがい」「手洗い」も予防のためのキーワードですが
重要キーワードは「鼻呼吸」「口唇を閉じる(リップシール)」
そして、一つ。「口の中はキレイにし続ける」ですね。
食べ物を食べるということは
1.食物を口の中に取り入れ、咬んで食塊形成が開始され、
2.食塊が上あごと舌の間に保持され、
3.舌の上に保持された食塊が咽頭へ送られる
という一連の流れ。
食物の固さや大きさ・形状によっては口唇は多少開くこともありますが、
口の中に運び込まれてから、唇は基本的にリラックスし閉鎖しているのです。
食べ物を口の中に運び、アムッと口唇を閉じ、咀嚼し、飲み込む。
この際、口唇を閉じず(閉じることが出来ずに)に食事している方。
口唇を閉じて食事するには、鼻呼吸が獲得されていないと難しいのだと思います。
口呼吸は風邪をひきやすい、インフルエンザに罹りやすいと
以前からよく言われています。
口を開けていると無防備になるということですね。
それぞれ個々に骨格の違いはありますが、
横から見たときの顔立ちはざっくり分類するとこういうタイプに分けられます。
上下顎の前後関係が長期的な口腔機能の維持に差をつけます。
多くは遺伝的要因に左右されると考えていますが、
自分がどのタイプなのか知っておくことも重要だと思います。
一番バランスがとれていると考えられるのは
中顔型(メジオ)の上下の顎のズレが少ないタイプと考えています。
「歯科へ通う」という行動変容ができたら
今度は自分自身の生活習慣の行動変容でしょう。
例えば、歯科医院で歯磨き指導を受け、
磨けいていると思っていた自分の歯磨きの仕方では磨けていない、
正しくないと認識できたら
指導受けたことを実行に移し、続けること。
頻繁な間食があるのならやめる
頻繁な清涼飲料水の摂取があるのなら、飲むタイミングや量を変える。
喫煙しているのなら禁煙する。
自分の生活習慣に問題があるかないかは自分では認識しにくいです。
客観的に見直すことが必要です。
いざ、歯科医院に通院するとなると
自身の生活リズムの中に歯科に通院し、治療する時間を作る必要があります。
しかも、歯科はなかなか一度で終わらないし、
気になったことがあったけど、もうなんともない。
学校や仕事、生活リズムを変えてまで
積極的に通院する気にはなれない、そんな感じかと思います。
ですが、歯科疾患、いわゆるむし歯となると自然治癒はありません。
むし歯が増え、歯肉も腫れ、歯が動き、
咬み合せが大きく変化し、どうにもこうにもならなくなってからでは
より治療回数や期間がかかります。
日々、自身でキレイにしつつ、違和感がなくても口腔のチェックを受けるか。
違和感があるな・・・・と感じ始めていても時間を作らず
ある日、痛みが激しくなり、これではまずい・・・と行動を起こすのか。
どの段階で行動を起こすかが 鍵となるのかと思います。
早めに受診し、問題を見つけ、問題ないのなら定期チェックで終了。
問題があるのなら、それを認識し治療を開始。
口腔内の問題は複雑ですが、現段階での口腔内を再建できたら、
繰り返さないように安定した状態を維持するために行動する。
まずは歯科に通うという行動変容が重要な要素の一つなのだと思います。
口腔内に歯垢がべったりとくっついた状態、食渣が残った状態は
長い時間をかけ口腔の崩壊へと繋がっていく原因の一つです。
口腔内のトラブルが多い方の傾向として
口腔内に歯垢・食渣が多く残っていても気にならない。
気にならないというよりは、
むしろ多く残っていることにさえ、気がついていないようです。
キレイにしていた方が口腔内を長期的に維持しやすいです。
口腔内に食渣が残っていれば、それを違和感として感じ取れるはずですが
感じ取れないのは口腔内の感覚の低下,
口腔機能の崩壊の始まりなのではないかと思います。
きれいな状態を知っておかなければ、
衛生状態が良いのか悪いのか認識が出来なくなるのです。