歯磨きが出来ている

「歯磨きをしている」と「歯磨きが出来ている」は違うんですよ

そんな風に歯科医院で言われた方もおられるかもしれません。

歯磨きをすることは習慣として素晴らしいことです。

習慣化出来ているのでしたら次のステップです。

正しく適切に歯を磨きましょう。

正しく適切に歯みがきが出来ているかどうかは

歯科医院で客観的に確認してもらうことが重要です。

自己判断はよくありません。

歯磨きとの関連

毎日の歯磨きと健康寿命には関連があって

男性では歯磨きの回数が1日のうちに1回以下の方と

2回以上の方では1日2回以上歯磨きを行う方のほうが

最大1.8年健康寿命が長く、

女性においても1日のうちに2回以上磨く方のほうが

最大1.9年健康寿命が長いという研究結果があります。

なにも歯磨きだけに限った話ではありませんが

歯磨き習慣があるような整った生活習慣が健康と関連するということです。

今日、何回歯を磨きましたか?

口腔内からみえてくるもの

「行動が習慣になり、習慣がその人の性格になる」

とはよく言ったもので、

確かに日常的な行動、生活習慣がその人をあらわしていますよね。

私、歯科医師の立場からすると、口腔内には生活習慣があらわれており、

口腔内はその人となりをあらわしてるといっても過言ではない。

と考えます。

起こったことやこれから起こり得ることに対する対応、反応、行動。

自身の身体への健康観、物事の価値観、

口腔内から見え隠れします。

中断はよくない

歯の神経の治療を開始した後、

痛みもなくなったことで一安心することもあると思います。

ですが重要なのはここからです。

歯の根の治療を途中にしたまま受診が途絶えることがままあります。

根の治療の中断は、その後の経過に影響を与え

再治療したとしても抜歯につながるリスクが高まります。

中断はよくありません。

19

キリのいい数字ではないですが、

次の10月を迎えると丸19年ほどブログやってることになります。

日常の出来事から、歯や健康に関することを話題にしていますが、

歯科関連の話題においては伝えることが難しいですね。

「自分が伝えたいこと」が「患者さんが知りたいこと」でなかったり

「歯科医師としての正解」が「患者さんが望む答え」とは違っていたり

なかなか難しですね。

診断

お口の中の衛生状態を良好にする。

といっても、

お口の中が良好なのか、良好ではないのか

ご自分で正しく判断することは難しいです。

症状が表れにくいのがお口の中の病気。

ご自身での判断ではなく、

歯科医院での診断が重要です。

知ること、気がつくこと

困ったことにお口の中の衛生状態が不良であっても、

生活習慣の中でそれが当たり前になっていると

不良であることにご自身では気がつかないのです。

そしてむし歯や歯肉炎・歯周炎は生活習慣にもとづく慢性的な病気であるため

状態が徐々に悪くなっていることに気がつかない、気がつきにくい、

命には深くかかわることが少ないと考えられているため

痛みが出ても一時的に痛みが消えることもあり

「大丈夫だろう」「治った」と思ってしまう。

そういったことを繰り返しているうちに

複数個所が急に取れたり、激烈な痛みになったり、

食事がままならなくなったり、生活に支障をきたすようになるのです。

そうなってからでは治療の選択肢が減り、出来ることも限られ、

治療後の経過も悪くなり、度重なる治療が必要になってしまいます。

まずは、ご自身の口腔内環境を知り、気がつくこと、

そして早い段階で予防に取り組み、状況によっては早期治療することが大切です。


天然の歯ですら

もともとの天然の歯ですら

お口の中の衛生状態により、むし歯になり歯を失ったり

咬む力によって歯が割れて抜くことになったり

歯周病により歯を失ったりするのですから

衛生状態が十分でなく、咬み合わせに問題があれば

人工的に補ったもの、いわゆる銀歯や入れ歯が壊れないわけはないのです。

ですので、大切なのは最初から予防に取り組んで,

むし歯にしないこと、歯肉炎にならないこと。

もしむし歯になってしまってしまっても詰める・かぶせるで「終わり」ではなく、

歯ぐきの治療で歯石除去したら「終わり」ではなく、

治療した状態を維持できるように正しく適切な歯みがきを身につけ、

定期的に歯科でお口の中をメンテナンスすることが大切です。

糖尿病と歯周病

糖尿病があると歯周病になりやすく重症化しやすいのはご存じでしょうか。

糖尿病があると免疫の低下や血流の悪化、唾液の減少などのため

歯周組織の障害が生じるためです。

また、一方で歯周病は糖尿病に悪影響を及ぼします

歯周病はインスリン作用を阻害するため血糖のコントロールの悪化につながります。

歯周病を治療するとヘモグロビンA1cが最大1%改善するという報告もあります。

糖尿病も歯周病、どちらも生活習慣に影響される病気です。

生活習慣を見直してみましょう。

問題の先送り

お口の中の病気は自覚症状に乏しく、

個人によっては緊急性が低いと考えられていたり

治療することで痛みがでるのではないか?

歯を失うのではないか?などの不安もあって

「気になっていないから」

「今しなきゃダメ?なの?」

「問題ないから」

と治療するべきことを先送りをしている側面もあるように思います。

そのなんでもないように思える問題が

大問題に変化してきたときは出来ることに限りが出てくるので厄介なのです。

兎にも角にも日頃からお口の中を大切にしておきましょう。