防ぐためには

歯冠破折や歯根破折をなるべく防ぐためには

神経をとるようなむし歯にならないこと。

なので、まずはむし歯にならないこと、治療を中断しないことが肝心です。

そして負荷がかかりやすいような歯並び・咬み合わせではないこと。

これには個体差がありますが、歯並び・咬み合わせが良い方が有利です。

矯正治療という選択肢もあります。

学童期のちょっとした歯並び・咬み合わせの不正が

年齢を重ねると大きな問題になります。

「今、困っていないから」「なんでもないから」と気にされない方が多いですが

タイミングも様々ですが、問題が大きくなる前に改善していた方が有利です。

とにかく口腔内をきれいにしておくこと。

歯並び・咬み合わせがよいこと。

これが重要なことです。

耐えて

ここも相当な量の雪が積み重なっていたかと思われます。

それでこの柵も歪んでいるのでしょう。

歯も相当な力がかかっており、

人生という年月を過ごしていく中で

たわみ、すり減り、ヒビが入り、それでも耐えて、

耐えれなくなると割れます。

歯にも毎日相当な負荷がかかっているのですよ。

しみる原因 

「歯がしみる」は正常な反応の範囲でもあります。

ですので、しみることがあっても、むし歯ではないこともあります。

むし歯以外で他に歯がしみる原因としては

咬み合わせの力によるものがありますね。

咬む力で歯の神経の炎症、歯髄炎が起きてしみることがあります。

また咬む力の影響で歯にひびが入ってしみる症状がでることがあります。

皆さんが思っている以上に咬む力は歯に影響を及ぼしているのです。

シンプル

口腔内の衛生管理が行き届いていないと誤嚥性肺炎の発症リスクがあがったり

歯周病が認知症の誘発と症状悪化に関連していたり

歯周病があると糖尿病のリスクが2倍、脳梗塞が1.6倍

狭心症・心筋梗塞が2倍であるなどなど関連はありますが

つまり口腔内衛生状態が良好ではないような生活習慣であると

他の生活習慣病や関連する病気のリスクもあるということですね。

歯科に関連する啓発内容は様々ありますが、すごく簡単に言うと

口腔内を良好に保っていた方が健康に過ごすために有利です。

口腔内、歯を大切にしていた方がよいです。

生活習慣を整え、正しく適切に歯を磨いておくことが大切なのです。

深い

下の前歯が見えないような深い咬み合わせ、

下の前歯が上の歯の歯茎近くにあたるような咬み合わせを過蓋咬合といいます。

下のような感じです。

正常咬合と比較するとこのような違い。

左が過蓋咬合 右が理想的な咬合

このような咬み合わせの場合、年齢を重ねることで咬む力の影響を受け続け、

前へ倒れ込む変化がおきる傾向にあります。

また、むし歯や歯周病により奥歯を多数失ってしまうと

前歯への負担が増え、耐えれずに揺れが大きくなったり、

歯が折れたりし、抜歯せざるを得ない例がよくみられます。

正面からみると、前歯が開きすき間もでてくるようになります。

過蓋咬合は見た目は歯並びがいいように見えることがありますが

実は上と下の歯の前後のズレを抱えているため、

そういったことが起きる傾向にあります。

歯並び・咬み合わせの治療をしておくことが有効です。

正面

口の中の状態を伝えるときに、

絵で視覚的にみてもらうことができるとよいなぁと思い

パソコンで絵をかいてみるのですが、難しいですね。

理想的な歯の並び、正面からみるとこんなかんじ。

歯科関係者からはつっこみどころありそうですが、こんなイメージです。

衛生状態が良好であるとは

お口の中の衛生状態が良好であるとは

歯科医師からの視点では

歯に歯垢の付着がみられず

歯肉の発赤・腫脹・易出血性がなく歯肉の炎症がないこと。

むし歯、根の治療の途中で放置している歯がないこと。

使っている義歯がきれいであること。

タバコを吸っていないこと。

などでしょうか。

急にきれいになるものではありません。

毎日、毎月、毎年維持管理に努めることで良好になるものです。

そんなこと

むし歯が進行してしまったために

削って埋めたり、かぶせる治療は大切なことではあるのですが

お口の中の衛生状態が不良なままだと

埋めたところ、かぶせたところが再度むし歯になったり、

歯肉炎が進行し、歯周炎に移行し、支える骨が失われることに繋がっていきます。

ですので、埋めたところ、かぶせたところが長持ちするように

再びむし歯にならないように、

また、むし歯になっていない歯をきれいなままで

良好な歯ぐきを維持してほしいので、歯磨き指導を行います。

「そんなこと知ってる」「いつもやってる」

まぁ、そういわずに確認してほしいのです。

知っているのと出来ているかどうかは別物です。

「そんなこと」を見直すことはとても大切です。

けっして「損なこと」ではないはずです。

仕上げ磨き

歯科では歯がはえてくることを萌出(ほうしゅつ)するというので

漢字で書くと、歯が「萌(は)える」となります。

さてさて、第一大臼歯は6歳前後に萌えてきます。

どの歯も重要なのですが、お口の中の健康を維持するうえで、

まずは咬み合わせに深く関係するこの第一大臼歯を

良好な状態で維持していくことが重要です。

そのためには第一大臼歯が萌えてくる前から

お口の中の環境を良好にしておくことが大切です。

お子さんのために保護者のみなさんによる仕上げ磨きが重要となります。

仕上げ磨きが正しく適切に行えているか確認しておくことが大切です。

咬合力強い方

「歯根破折」は神経を除去した歯に起こりやすいですが

神経をとっていない歯であっても

ヒビが入り、割れ、折れることがあります。

咬合力、咬む力が強いタイプの骨格の方にみられる傾向にありますね。

顎の〇で囲んだところ、

このように顎がガッチリしている方はそういう傾向にあります。

ご自身がどういう傾向のあるか知っておくことも大切です。